一般財団法人放送番組国際交流センター（JAMCO）は、優れた放送番組の提供を通じて国際交流を進め、日本と諸外国との相互理解を促進し、途上国の放送や社会の向上発展に寄与することを目的としています。その主な活動の一つとして1991年の創立以来ほぼ毎年、メディアや国際協力などに関する様々なテーマで国際シンポジウムを開催して参りました。

　今年度の第32回JAMCO国際シンポジウムは「分断の危機にある世界で今訴えたいこと」をテーマに、研究者や専門家、さらに直接、国際協力や教育、企業等の現場に向きあっている方々の報告と討論をオンライン上で展開し、ご意見を頂きたいと存じます。

　当センターは、主な活動として日本で放送されたテレビ番組の中から途上国での放送に適した番組を選んで、英語、スペイン語、フランス語などに翻訳した国際版を制作しており、そのライブラリーはこども・教育番組、ドキュメンタリー、そしてドラマを含む幅広いジャンルにわたっています。

　番組の提供先はアジア、太平洋島嶼国、中南米、アフリカ、ヨーロッパなど101か国に広がり、提供本数は14500本を超え、さらに増え続けています。これらのテレビ番組は国によって、現地の言語に訳されたりして放送されているほか、大学などでの教材としても活用されています。

　2024年、世界は大きな危機の中にあります。イスラエル軍とイスラム組織ハマスとの戦闘、２年以上にわたるロシアによるウクライナへの軍事侵攻、食料・エネルギー危機やインフレは、世界の人々の生活を脅かし、不安に陥れています。

　それらの危機に対処するために先進国、途上国を問わず協力して様々な取り組みが行われています。

　今回のシンポジウムでは、危機にある世界で続けられている国際協力、教育現場における異文化理解、難民支援、途上国における開発などの活動の状況について幅広く報告、討議を行って頂き、広く皆様のご参考に供したいと思っております。また、今回の試みの成果は、当センターの今後の活動にも大いに参考にしていきたいと期待しておりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。