一般財団法人放送番組国際交流センター（JAMCO）は、テレビ番組を通じて国際交流を進め、日本と諸外国との相互理解の促進と開発途上国の放送や社会の向上発展に寄与することを目的としており、その活動の一つとして1991年の創立以来、ほぼ毎年、放送に関する様々なテーマで国際シンポジウムを開催して参りました。

　今回2019年度はオンライン上で「発展途上国における教育コンテンツの役割と新たな可能性」をテーマに研究者や専門家さらに直接、教育現場で向き合っている方々の報告と討論を展開し、皆様からのご意見をいただきたいと存じております。

　当センターは、さらに主な活動として日本で放送されたテレビ番組の中から途上国での放送に適した番組を選んで、英語、スペイン語、フランス語などに翻訳した国際版を制作しております。当センターが保有している国際版は2019年現在で合わせて1744本に上り、そのジャンルはドラマ、こども・教育番組、ドキュメンリーなど幅広いライブラリ－となっております。番組の提供先もこれまでアジア、太平洋島嶼国、アフリカ、ヨーロッパ、中南米など97ケ国に対して13000本余りのテレビ番組を提供してきました。これらのテレビ番組は国によって、英語のみならず、現地の言語に改変されたりして放送されています。

　2019年度の第28回オンラインシンポジウムでは当センターのこのような基本的な事業である番組提供において、特に途上国の社会発展に欠かせない教育番組の分野での放送コンテンツの役割といういわば原点に帰った視点より改めて世界の現状と課題を考察しようという試みを行います。途上国の最大の課題は教育水準の向上と平和な国家体制の構築そして着実な経済発展です。その意味で今回のシンポジウムでは途上国の現場からの報告に始まり、メディア状況の変化とその将来の可能性といった視点までの幅広い視点から題材を揃え、皆様の議論のお役にたちたいと思っております。また、当然ながら今回の試みは当センターの今後の諸種の活動にも大いに参考になることが期待できますのでどうぞ宜しくお願いいたします。