財団法人 放送番組国際交流センター / Japan Media Communication Center

お問い合わせ

HOME > 第24回 JAMCOオンライン国際シンポジウム > 閉会にあたって

JAMCO オンライン国際シンポジウム

第24回 JAMCOオンライン国際シンポジウム

2016年1月~2016年8月

アジアのテレビ放送局の現状と課題

閉会にあたって

迫水 理男
一般財団法人放送番組国際交流センター専務理事

JAMCOオンラインシンポジウムの第24回は「アジアのテレビ放送局の現状と課題」と題するもので、政治情勢や経済状況が異なる国々でテレビを中心とするメディアの状況がどうなっているか、更に課題は何か、当事者たちを中心に情報性の高い論考が展開されている。

シンポジウムの議論では各国からは制度、放送局の概要、編成、視聴率などの基本的な情報に加え、インターネットの普及などまさしく発展途上国が経験しているメディア状況の大きな変化の波が共通な問題意識として語られている。

しかし、大切なのはそうしたテクノロジーの進歩だけでなく発展途上国にとって放送がいかに人々の生活や教育レベルの向上に資するか、そして人々の自由な思想の醸成や言論の発展に大きな役割を担うかという多くの根源的な問いかけがあることである。

今日の世界はテロ、難民、内戦など第二次大戦以来最大の危機にあると言っても過言でない。

アフガニスタンではソビエトの進攻以来内戦が続き、さらにタリバンの支配により国土が荒廃した。復興への力強い歩みの中でアフガニスタン国営放送局のパンジシリ氏は「アフガニスタンではメディアではこの30年間、戦争の原動力としてのメディアのとてつもない影響を受けてきた。しかし、メディアは戦争や自殺、苦しみといった観念を人々の心から取り除くことを通じて和解と対話の重要な手段として使うことも可能である」と語っている。

メディアの持つ光と影の部分を象徴的に語っていると思われる。

今日、私たちは異なった考え方、宗教、生活様式を持つ人々と共生していかなければならない。
日本のJAMCOの活動もソフト面での国際理解という大切な使命を持っていると考える。

こうしたシンポジウムを通じて、アジア、アフリカ、中南米などの発展途上国の人々と継続的に意見交換していくことがこの混迷を極める世界にとってますます必要な事と考える。

このシンポジムを閉会するに当たり、中心となって構成や折衝に当たっていただいたNHK放送文化研究所の山田賢一氏、田中孝宜氏をはじめ、ご参加いただいた報告者、討議者、 当サイトをご覧いただいた皆様に篤く感謝申し上げます。

迫水 理男

一般財団法人放送番組国際交流センター専務理事

東京外国語大学スペイン語学科卒業 NHK国際放送局編成部長、NHKインターナショナル理事を経て現職

これまでのシンポジウム

Copyright Japan Media Communication Center All rights reserved. Unauthorized copy of these pages is prohibited.