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JAMCO オンライン国際シンポジウム

第21回 JAMCOオンライン国際シンポジウム

2013年3月14日~9月15日

津波防災とアジアの放送局

パネリストからの質問と回答


質問者:Mohamed Shareef Asees氏(スリランカ、コロンボ大学 客員講師)

質問:
まず、「タイにおける津波対策とメディアの役割」という多くの情報や分析に満ちた、興味深い報告をしてくださったSupanee Nitsmer准教授に感謝したいと思います。2004年の大津波は、タイとスリランカ両国にとって初めての大規模な津波の経験となりました。しかし、情報の伝達や放送においてスリランカよりもタイの方が迅速に対応できていました。タイには津波が到来する以前に、早期警報システムのようなものを整備できていたのでしょうか?


回答者:Supanee Nitsmer氏(タイ、ラムカムヘン大学マスコミ学部 准教授)

回答:
ご質問ありがとうございます。早期警報システムは2004年以前、スリランカにもタイにもありませんでした。Asees氏の報告にもあるように「スリランカには、2004年以前は津波の早期警報システムが存在しなかった。災害が発生した場合は、政府機関が災害を監視し早期警報を発令するが、災害の種類によって異なる政府機関にその権限が与えられていた」(強調は回答者)ものの、タイでも以下に引用した私の報告が指摘するとおり、早期警報システムはありませんでした。

「2004年12月26日のインド洋津波災害を受け、タイの早期警報システム(Early Warning Systems:EWS)の開発は非常に注目され、多くの資金が投入され…(中略)…衛星を利用した国家災害早期警報システムがタイで立ち上がった。これはタイの歴史上初めての災害警報システムである。
(強調は回答者)

にもかかわらず、タイの方が迅速に情報を提供することができたのは、津波が発生した際、タイの鉱物資源局(DMR www.dmr.go.th)がインドネシアの地震を感知し、バンコクのタイ気象局(TMD www.tmd.go.th)が各地の観測所に設置した計測器から地震の報告を入手していたからだと思われます。二つの象徴が地震の存在を感知したものの、津波のための早期警報システムがありませんでした。そのため、以下に引用した当日朝9時にタイ気象局が発表した公式声名は、津波の発生に触れていませんでした。

「2004年12月26日7時58分53秒(タイの現地時間)、インドネシアの来たスマトラ州西部、北緯3.4度、東経95.7度のちか40kmを震源地とする地震が発生した。マグニチュードはリヒタースケールで8.0であり、タイの多くの地域、特にバンコクの高層ビル、チェンマイ、チェンライ、ソンクラー、プーケットで感知された。現時点では地震による被害は報告されていない。
(強調は回答者)

タイの鉱物資源局と気象局は周知を図るために報道機関へ情報を提供しようと試みましたが、危機の最中で津波が何なのか把握している人はいませんでした。そのため、まっさきに報道できたのはごく一部の小さなメディアだけでした。マスメディアが情報提供を本格的に始めたのはタイの西海岸に津波が到着してからでした。
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